視覚に障害があると、
小さい時には歩けないのではないか
一人で食事はできないのではないか
服を着たり脱いだりするのも無理なのではないか
このようなことはもっと大きくなってから教えればよい
小さい時にはかわいそうと思われがちです。
しかし そのようなことはありません。
そう思うことが 本当は最もかわいそうな結果を
招いてしまうのです。
視覚に障害があっても、
よく配慮された環境の中で育てられることにより
ひとりで歩けるし、食事も出来るし、服を着たり脱いだりすることが
視覚障害のあるこどもも、もっていないこどもも、
そのような力は同じようにもっているのです。
「主体的に生きていける力を育てたい!」
そういう思いで日々、保育にかかわっていくことがとても大切です。
こどもの生活は"遊び"そのものです。
こどもらしく生活するためにはまず遊べなければなりません。
視覚に障害があると、どうしても乳児期から動くことが少なくなって
しまいがちです。
そのため身体が硬くなって、しなやかに動くことができなかったリ、
冬には運動不足のため寒がり、厚着をさせられて余計に
食欲や睡眠にも問題をかかえてしまうことになりがちです。
不足しがちのようです。
家庭の中で温かく守られて生活するのがあたりまえになり、
自分でできること、出来るはずのことまで誰かにしてもらっていたり、
言えること、言えるはずのことまで誰かに言われてしまっていたり、
言わなくてもわかってもらえてしまったりして、依存があたりまえの
依存心の強いこどもになり、自分ひとりではお友だちとー緒に遊ぶことが
苦手になってしまうこともあります。
保育にたずさわる者は、その子のもつ視覚障害を正しく理解し受け止めて、
十分に配慮し、集団の中でのかかわりあいを大切にしながら、
ひとりひとりの実態に応じた遊びを豊かに体験させなければなりません。
そのことが自立に向けての第ー歩でもあります。
視覚障害のあるこどもにとって「自分のことは自分でする」という
あたりまえのことが重要でまた難しいことです。
他人のしていることを「見て、まねをしてする」のは不可能です。
ひとつひとつの事を身につくまで、くり返しくり返し自分で
体験していくしかありません。
自分でやろうとしているのになかなかうまくできないので
そばで見ている者はつい手を出したくなりますが、
そうすることは
こどもが経験できるはずのチャンスを奪うことになります。
視覚に頼らないで、いろいろな事を分かるためには
手でさわること、音を聞き分けること、においをかぎ分けること、
あるいは空気の流れを肌で感じること、なども重要なことです。
気長に見守り、ひとりでできた時には大いにほめて
自信とやる気を育み、励まし続けることが大切です。
〒537-0025
大阪市東成区中道1丁目3-59
大阪府立福祉情報コミュニケーションセンター内
視覚障がい者支援センター
TEL 06-6748-0615
FAX 06-6748-0616