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つみぐさ 令和2年6月号

目次

 1.漢字の義22 女偏
 2.暮らしミニ情報 お酒の飲み方でも風邪を遠ざけるポイントは「頻度」
 3.プラットホームの話 その7 一向に減らない視覚障がい者の転落事故
 4.健康道場 43 ゆっくり愛でる一足先の桜
 5.私の小さな旅 その11 能登半島一周と日航ジャンボ機墜落の報
 6. 編集後記

1.漢字の義22 女偏
                     わこさん

1 女偏に良い
   読みは ロウ、ノウ、チョウ、むすめ       
   意味は むすめ、少女、母
   熟語は 娘子(ムスメゴ) むすめ
       娘家(チョウカ) 母の家
       娘気(ムスメギ) おとめのうぶなる心

2 女偏に呉服の呉
  読みは ゴ、グ、たのしむ
  意味は たのしむこと
  熟語は 娯楽(ゴラク)心を慰め楽しむこと
      娯玩(ゴガン)たのしみもてあそぶこと 
      娯情(ゴジョウ)こころをよろこばす

3 女偏に方角の方
   読みは ボウ、ホウ、さまたげ
   意味は 事を破り害うこと
   熟語は 妨害(ボウガイ) さまたげそこなうこと  
       妨滞(ボウタイ) さまたげ とどこおらす、邪魔
       妨碍(ボウガイ) じゃま、さまたぐ

4 女偏に未来の未
   読みは バイ、マイ、いもうと
   意味は いもうと 
   熟語は 妹分(イモウトブン)仮に妹と定めていう
        妹君(イモウトギミ・イモギミ) 他人の妹の敬称
        妹背(イモセ) 男と女、夫と妻、兄と妹、姉と弟についていう言葉

5 女偏にム、ロ
   読みは シ、はじめ、はじまる、はじむ
   本義は 女のはじめ。元は男のはじめ、陽。故に始は陰。
       元始と言えば陰陽のはじめ。 故に1月1日を元始という。今は一般に物のハジメの意味
   熟語は 始元(シゲン) 元始、はじめ
       始祖(シソ)  先祖
       始終(シシュウ)はじめとおわり

 これらの漢字は講談社の大辞典より引用しました。
                  

 

2.暮らしミニ情報 
  お酒の飲み方でも風邪を遠ざけるポイントは「頻度」
                     大滝 龍
 

 誰もがかからないように注意している「風邪」。
 呼吸器疾患のエキスパート・池袋大谷クリニック院長の大谷義夫さんに、風邪のリスクを下げるために心掛けたいお酒の飲み方から、大谷さんが実践している日々の風邪予防対策、意識して摂取したい食事までを、酒ジャーナリストの葉石かおりが聞いていく。

 イギリス、スペイン、日本と3国で発表された酒と風邪に関する論文も丁寧に解説いただき、「お酒は風邪にいい」という一般のイメージを裏付けするデータがあることも分かった。酒飲みとしてはうれしい限りである。

 エビデンスもきちんと踏まえたポジティブな結果は、酒飲みが大手を振って飲むのに最高の口実ではないか。「さて、今夜は何を飲もうかな♪」とウキウキしているところを、大谷さんに即たしなめられた。

「お酒を飲む頻度が高い人ほど風邪を引きにくかったというデータが出ているのは確かですが、何事も過ぎたるは猶及ばざるがごとしです」(大谷さん)

 そうだった、飲み過ぎが体に悪いのはもちろんとして、お酒は少量であっても体に悪いという論文が2018年に発表されるなど、今、アルコールの健康リスクが世界的にクローズアップされるようになっているのだ。

 では、具体的にどのような飲酒を心掛ければいいのだろうか。


   カギは「飲む頻度」、小分けに飲むのが理想的
 
 最初に、お酒の飲み方について聞いてみた。先生、風邪のリスクを下げるために心掛けるべき飲み方を教えてください!

 そう尋ねると、大谷さんはこう話し始めた。「飲酒は風邪予防に役立つ可能性があると話しましたが、それは『ほどほど』に飲んだ場合です。酒量は適量までに抑えるのが基本です。過剰な飲酒は健康リスクを高めます。適量と言われる、1日当たり純アルコール20gを守りましょう」(大谷さん)

 適量については、それこそ耳にタコができるほどお伝えしてきたが、念のため説明すると、厚生労働省の「健康日本21」では、1日当たり純アルコール換算で20gを適量としている。これは、日本酒換算で1合、ビールで中ジョッキ1杯程度、ワインならグラス2〜3杯程度に相当する量だ。

 どこまで行っても「適量」は守らねばならないのが常か…。だが風邪に限ったことではなく、体調管理のためにも、飲み過ぎて二日酔いになってしまったら逆効果である。

 がっかりする私に、大谷さんはこうフォローしてくれた。

 「前回紹介した、日本の東北大学の研究、そしてスペインの研究でも、お酒を飲む頻度が高い人ほど風邪の罹患リスクが低いという結果が出ています。風邪予防という観点でポイントになっているのは『お酒を飲む頻度』、飲む頻度が多いほうが風邪予防の効果が期待できるということになります」(大谷さん)

 適量は守る必要があるが、飲む頻度は多いほうがいい…というと?

 「小分けに飲むということです。適量を週単位で考えると日本酒にして7合になりますが、週のうち1日や2日は3〜4合を一気に飲むけれど、他の日は飲まないといった集中した飲み方は避け、日々適量を上限に飲むということです。前回紹介したように、東北大学の研究でも週7回(毎日)飲む人が風邪の罹患リスクが一番低くなっています。ただし、できれば週に1回くらいは休肝日も設けるようにしてくださいね」と大谷さん。

 なるほど、少しの酒に抑えつつ、日々楽しむようにするということか。夕食の晩酌に1合飲むといった形でルール化していけば、無理なく実現できそうだ。休肝日も取りつつ、日々実践しながら、しっかりと風邪予防につなげたいものである。


   風邪予防にと、無理に酒を飲む必要はない

 大谷さんは、風邪予防になるからと、無理にお酒を飲む必要はないと念を押す。お酒は少量であっても健康リスクになるという報告が出ていることも忘れないようにしよう。

 「特に、元々お酒に弱い方が、風邪予防にいいからと無理に飲む必要は全くありません」(大谷さん)。個人差があるものの、女性や高齢の人はアルコールの分解能力が低いので、お酒の量はより減らすことが望ましい。お酒を飲んで顔が赤くなる人も同様である。

 ここで大谷さんは、自分が酒に強いか弱いかを確認しておくといいと話す。連載の以前の回でも紹介したように、酒に強いか弱いかは、主にアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)の活性がカギを握っている。ALDH2の活性は遺伝的要素で決まるため、遺伝子検査サービスで調べることで確認できる。

 遺伝子検査はお金もかかるのでちょっと…という人は、あくまで簡易チェックだが、「アルコールパッチテスト」で確かめる手もある。

 やり方は簡単で、脱脂綿に市販の消毒用アルコールを含ませ、上腕部の内側にテープで7分間固定し、はがした直後と10分後に、脱脂綿が当たっていた肌の色を見るだけだ。脱脂綿をはがした後、肌の色が変化しないのがお酒に強いタイプ、10分後に赤くなるのはお酒に弱いタイプ(顔が赤くなる人が多い)、直後に赤くなるのはまったく飲めない人だ。

(中略)
 今一度「正しい手洗い」から実践しよう

 風邪の予防について大谷さんが強く勧めるのは「正しい手洗い」だ。帰宅してすぐの手洗いは常識だが、そこにはきちんとした意味がある。

 「風邪予防にはむやみに鼻、口、目、つまり顔を触らないことが有効です。しかし意外にも人は無意識のうちに顔を触っているんですよね。顔を触ると、そこからウイルスが侵入し、感染してしまうリスクが高まります。そのためにも正しい手洗いを会得することが大事なのです」(大谷さん)

 もちろん、ただ手洗いをすればいいというものではない。たまに、蛇口から出る水で軽く流す程度で済ませる人も見かけるが、これはNGである。

 「サッと洗うだけではなく、石鹸を泡立て、手のひら、手の甲、指の間、爪の先や間、手首を30秒以上かけてしっかり洗いましょう。また拭き取りはタオルではなく、ペーパータオルが一番です。同じタオルを日に何度も使うと、逆にウイルスまみれになってしまいます」(大谷さん)

 かつては「自分のハンカチやハンドタオルで手を拭くのが女子の鏡」みたいなことが言われていたが、風邪予防からすれば逆効果。ましてやタオルの貸し借りなんて、ウイルスのうつしあいにしかならないようだ。

 さらに、大谷さんは不特定多数の人が触れる電車やバスのつり革、オフィスのエレベーターのボタン、ドアノブなどの触り方についても注意を促す。

 「ウイルスの感染経路には、不特定多数の方が触れるつり革やエレベーターのボタンなども考えられます。米ミネソタ大学の研究によって、金属やプラスチックなど、表面が滑らかなところについたインフルエンザウイルスは24〜48時間も生存可能という結果も出ています」(大谷さん)

 大谷さんは、ウイルスを避けるために、エレベーターのボタンなどを押す際には、指先を使わず、指を曲げて第二関節でボタンの端のほうを押す、そしてドアノブは肘や手のひらを使うようにすることも勧める。

 加えて、大谷さんは、不特定多数の人の手に触れる硬貨を極力使わず、キャッシュレス決済を利用するといったことまでしているそうだ。「小さなリスクをこまめに潰していくことが体調管理には欠かせません」と大谷さん[注1]。

 こんな予防方法があるとは! そしてここまで気をつけているとはスゴすぎる!

 これまで考えもしなかったが、ここまで徹底しているからこそ、大谷さんは30年間も風邪とはほぼ無縁でいられたのだろう。

 いくら酒が風邪予防の効果が期待できるとはいえ、飲むだけで予防できるわけではない。マスクと手洗い、そして指先をなるべく使わないという風邪予防の基本をしっかり覚えておこう。

[注1]このほか大谷さんは、アルコール消毒、うがい、歯みがきやフロスによる口腔ケアなども日々実践している。


   風邪予防ならビタミンCよりビタミンD!?

 次は食事である。酒のつまみを含め、普段からどんなものを食べるといいのかを大谷さんにアドバイスいただこう。

 「風邪予防だけに限らない“総合的な体調管理”を考えるなら、血管にダメージを与える血糖値の急上昇(食後高血糖)を防ぐために『食べる順番』は大切です。食物繊維が豊富な野菜を先に摂取することを心掛けましょう(ベジタブルファースト)。酒席なら海藻を選んでもいいですね。もずく酢、めかぶ酢、海藻サラダなど、居酒屋定番メニューにも海藻類はたくさんあります。そして、炭水化物は最後にしてください[注2]」(大谷さん)
 [注2]食物繊維だけでなく、たんぱく質を糖質より先に食べることも、血糖値上昇を抑える効果を期待できる。

 そして、「筋肉などを作る材料となるたんぱく質を意識して摂取してください。たんぱく質は、肉や魚だけでなく、乳製品や卵、大豆製品など、さまざまな食品から摂取するのがお勧めです。そして、ビタミン類やミネラル類、食物繊維もバランス良くとりましょう」と大谷さんは話す。

 たんぱく質は、酒の肴からも多くとることができる。例えば、鶏もも肉のグリル、冷ややっこ、刺身の盛り合わせ、納豆の天ぷらなど、思わず喉が「ゴクッ」となるものばかりだ。なお、糖質の摂取量については、「減らしすぎることなく、総エネルギーの50%程度を目安に適量をとってください」と大谷さんはアドバイスする。

そして、風邪予防のために意識してとってほしいビタミンがあると大谷さんは話す。

風邪予防のビタミンといえば、レモンなどでおなじみ「ビタミンC」であろう、と思いきや、意外な答えが返ってきた。

 「風邪予防をメインに考えるなら、ビタミンCよりもビタミンDを多く含む食材を選んだほうがいい」と大谷さん。えっ、「風邪にはビタミンC」が常識じゃなかったの!?

「エビデンスの観点から言うと、ビタミンCよりもビタミンDのほうが風邪予防には有効と言えます。実はビタミンCに関する研究は結果が一致しておらず、結論が出ていないのが現状です。それに対しビタミンDは風邪、インフルエンザ、さらに肺炎も含む呼吸器感染症の予防に役立つというエビデンスがあるのです」(大谷さん)

これまでせっせとビタミンCをとっていたが、ビタミンDも意識してとらなくては…。ビタミンDを多く含む酒の肴は、いわしやさんまなどの青魚、あんこうの肝、サケなどと、これまた酒飲みにとっては、涎(よだれ)が出るものばかり。「適量」という言葉が思わず頭から吹っ飛びそうになるが、適量を守りつつ、ビタミンDたっぷりで低糖質、さらには高たんぱく質の肴で一杯やれば、しっかり風邪予防につなげられそうである[注3]。

 [注3]ビタミンDは、日光に当たると体内で作られるので、日の光を浴びることも心掛けたい。「1日に必要なビタミンDを合成するために要する手の日光浴の時間は、冬の関東であれば1日22分程度になります」(大谷さん)


  「風邪の引き始め」は軽い運動もお勧め

 ここまで紹介した風邪予防をしてもなお、「リスクゼロ」というワケにはいかないのが忙しい現代人である。「あれ、もしかして風邪引いちゃったかも?」となった場合、どう対処したらいいのだろう? 昔から言われる「安静にしている」ことが一番いいのだろうか?

 「いえいえ、そんなことはありません。私は『風邪かな?』と思ったらスポーツクラブで5分ほど泳ぎます。『えっ!?』と思いますよね(笑)。実は軽い運動をすることによって、免疫のために働くNK細胞が活性化されるのです。水泳に限らずウォーキングでもOK。逆に激しい運動をしてしまうと免疫力が落ちるので注意しましょう」(大谷さん)

 軽い運動をしてもいいのは、あくまで「風邪の引き始め」の時だけである。「風邪の症状が強く出ていたら運動は避け、安静にしてください」と大谷さん。なお、軽い運動といっても、人によってレベルが異なるので、自分に合った運動をセレクトしよう。

 「風邪の引き始めに軽い運動」で軽いジャブをくらったところで、さらに大谷さんは驚くアドバイスを付け加えた。

 「風邪の引き始めには、サウナも有効と考えられます。これも『えっ!?』と言いたくなりますよね。前回も解説しましたが、風邪の代表的なウイルスの1つライノウイルスは、33℃程度では活性化しますが、37℃以上になると増殖しづらくなることが知られています。こうしたことからも、サウナに入ってカラダを温めることに意味があると考えられます。実際、私が米ミシガン大学に留学していたときの友人は、風邪の引き始めにサウナに入ると話していました」(大谷さん)

 では、日本人が大好きなお風呂は? 「もちろんサウナに限らず、お風呂でも効果は期待できると考えます。寝る1〜2時間前にお風呂に入り、湯冷めしないうちに布団に入るようにしましょう」(大谷さん)

 かつては「風邪を引いたらお風呂はNG」が常識だったと思うが、ここで情報をアップデートしておかねばならない。確かに風呂に入ったほうがカラダも温まるし、リラックスすることもあってか、眠りの質も良くなると感じる。大谷さんは、「十分な睡眠もまた風邪予防には大切」と話す。

 乾燥が続き、寒い時期の間、風邪やインフルエンザの流行はまだまだ続く。お酒は適量を守りつつ小分けにして飲む、そしてアップデートされた風邪予防対策でしっかりケアを行い、万全の体調でうまい酒を飲みたいものだ。

(酒ジャーナリスト=葉石かおり)

大谷義夫さん
 池袋大谷クリニック院長。1963年生まれ。群馬大学医学部卒業。東京医科歯科大学呼吸器内科医局長、同大学呼吸器内科兼任睡眠制御学講座准教授、米ミシガン大学留学などを経て、2009年より現職。日本呼吸器学会専門医・指導医。日本アレルギー学会専門医・指導医。近著に『65歳からの誤嚥性肺炎のケアと予防 9割の人は持病では死なない!』(法研)、『絶対に休めない医師がやっている最強の体調管理』(日経BP)など。

[日経Gooday2020年2月7日付記事を再構成]
                              

3.プラットホームの話 その7 
  一向に減らない視覚障がい者の転落事故
                     かず

 わたしがこの「プラットホームの話」の連載を始めてからもう2年くらいになるだろうか。その間ホームドアの設置駅は多くないながらも増えている。また鉄道会社、マスコミ、視覚障害者団体などの呼びかけや運動などの成果もあり、ホーム上で声をかけていただけるケースもかなり増えたようにも思う。
 しかし、視覚障害者のホームからの転落は減少する気配は無く、この数ヶ月の間でも多くの事故が起きてしまい尊い命が失われている。最近では3月19日に神戸市のJR西日本垂水駅で兵庫県立視覚特別支援学校に勤めていた方が死亡している。線路上に立ち入っていたという話のようであるが、事故原因についてはまだ詳しくは発表されていない(4月10日現在)。
 このような状況を踏まえて、視覚障害者のホームからの転落事故を少しでも少なくすると言う願いを込めて、「日本歩行訓練士会」がホームページに呼びかけを掲載し、「ラジオ」で専門家によるインタビュー番組が放送された。
 まずは日本歩行訓練士会の文章を以下に掲載しよう。


     視覚障害者の駅ホームからの転落事故をなくすために
 2019年10月1日京成立石駅、10月2日JR新宿駅、2020年1月6日JR石岡駅、1月11日JR日暮里駅と、視覚障害者の駅ホームからの転落事故が続いて起きました。亡くなられた方に心より哀悼の意を表します。
 日本歩行訓練士会として、視覚障害者の駅ホームからの転落事故をなくすためにお願いしたいことがあります。

1 視覚障害者の方へのお願い
(1)白杖操作について受講した経験がない方は、歩行訓練を受けて下さい。
(2)受講経験のある方も、よく使う駅のホームの形状や安全な歩行経路等について、いま一度歩行訓練士等と確認してください。
 ※ 歩行訓練士についてのお問合せは事務局まで
(3)電車のドアに白杖が挟まれたまま発車してしまう事故もあるため、日頃から白杖のゴムを手首に通さないで白杖を持ちましょう。
(4)駅ホーム上では、白杖を浮かさず接地したまま、肩幅より少し広く左右に振って歩いて下さい。乗降時には、必ず白杖で床が有ることを確認してから、足を出してください。普段と異なる状況(体調や環境)が有れば、駅員や乗客に援助を依頼してください。

2 一般の方へのお願い
 視覚障害者を見かけられたら、お声かけをお願いいたします。
(1)線路に向かって歩いているなど、危険を感じたら、迷わず呼びかけてください。
「盲導犬の人、止まって!」など
「(その人が自分に声がかかっていると分かる一言)+ 止まって」と声をかけてください。
(2)無言でいきなり腕や肩をつかむのはやめてください。相手が驚いてしまい、かえって危険になる場合もあります。ただし、本当に命の危険が迫っている時は、ためらわずに「止まって、危ない!」など声をかけながら腕をつかんで助けてください。
(3)命の危険が迫っていない状況の声かけは、「こんにちは、何かお手伝いしましょうか」を基本にお願いします。声を出すことで、あなたの存在を伝えてください。

3 鉄道事業者の方へのお願い
 視覚障害者を見かけられたら、お声かけいただき、見守りをお願いいたします。
 またホームドアの設置など環境面における駅の安全対策をすすめてください。
 視覚障害者の誘導方法や視覚障害者誘導用ブロックについてなど、ぜひ地域の歩行訓練士にご相談ください。
 詳細は日本歩行訓練士会までお問合せください。二度と大切な命が失われないように、日本歩行訓練士会として、歩行訓練や視覚リハビリテーションの普及と向上をはかってまいります。

 皆様のご協力をよろしくお願い申し上げます。

 2020年1月23日 日本歩行訓練士会

 掲載内容は以上です。

 この中で、「歩行訓練を受けてください」と言う呼びかけが掲載されている。しかし、歩行訓練と聞くと、数ヶ月施設に入所して規律正しい生活を強いられるというイメージを持ってしまい、今更こんなことできないと思う方も多いようである。たしかに昭和時代は、施設入所が基本で、生活も訓練もかなり厳しかったようである。しかし今では自宅に訓練士が訪問して個人のニーズに合った場面での訓練を行う施設や団体も多くなっているため、かなりハードルも低くなっていると思う。単独歩行はある程度できるものの、転職などで生活環境や通勤経路が大きく変わる方、かなり以前に訓練を受けたが、視力の低下や体調の変化などで最近歩行に不安を持っている方、まだ視力はあるうちに正しい白状の使い方を習得したい方など、相談してみてはいかがだろうか。本協会の指導課でも訪問による訓練を行っている。

 次に3月8日にラジオで放送された専門家によるインタビューの内容を少し書きたいと思う。
 専門家として出演されていたのは、堺市立健康福祉プラザ 視覚・聴覚障害者センター点字図書館長で歩行訓練士の「原田 敦史氏」、成蹊大学名誉教授の「大倉 元宏氏」の2名であった。

 原田氏は歩行訓練士の立場で以下のことを述べられていた。(上に記した日本歩行訓練士会の文章と重複する部分もあります。)

1. ある程度視力がある場合でも、歩行に不安を感じだしたら早い時期から白杖を携帯していただきたい。
2. 一度は正しい白杖の使い方を歩行訓練士などから学んでいただきたい。長期間訓練を受けなくても、1回から数回の訓練で安全性がかなり高まることも期待できます。
3. ホームを歩くときは、白杖を地面から浮かさずに左右にすらせて歩いていただきたい。また振り幅も肩幅よりも30パーセントくらい大きく振っていただきたい。このような使い方で歩くことにより、警告ブロックやホームの端などをかなり早めに察知することが可能になります。
4. 列車を待つときは必ず警告ブロックの手前(内側)で待っていただき、ドアが開いたことを確認してから列車に近づくようにしていただきたい。
5. ドアを見つけられないときは、車掌が乗車している方向(普通は列車の後ろ方向)に移動してドアを探していただきたい。車掌のいる方向に移動することにより、乗車にとまどっていることを見つけてもらいやすくなります。
6. 乗車の際は、必ず白杖でホームと列車の床との隙間と高さを確認してから、白杖を列車の床に置き、次に足を白杖よりも少し前方に出して乗車していただきたい。
7. 下車するときは必ず床とホームとの高さと隙間を確認し、白杖をホームにしっかりと置き、足を白杖よりも前方に出してあわてずに下車していただきたい。
8. 下車後はあわてずにまずは内方線つきブロックを確認してそれよりもホームの内側に速やかに進んでいただきたい。そして人の往来がある程度少なくなってからホームの状況に合わせて歩くのに安全な場所に移動して歩く方向をしっかりと確認してから歩き始めていただきたい。
9. 普段と異なる状況(風の音が気になる いつもより人が多い 障害物にぶつかった)などに遭遇し方向感覚に不安を感じたときはすぐに立ち止まって今一度周りの状況や歩いて行く方向などを必ず確認していただきたい。
10. 体調が悪くて歩行に不安なときや方向感覚がいつもと違っていて不安を感じたときは慣れた場所であっても、早めに駅員や周りの方にサポートを依頼していただきたい。
11. 利用したことが無い駅を利用する際は極力駅員のサポートを利用していただきたい。

 一方、大倉氏は研究者の立場として以下のことを述べられていた。
1. 視覚障害者がどういう状況でどういう原因が重なってホームから転落したのか根本的な事故の原因を検証する必要がある。
 今の状況は「視覚障害者の転落事故が多いためホームドアの設置や内方線付きの警告ブロックを敷設しようなどの安全対策を進めていこう。」ということのみでの対策が進められているだけで、ホーム転落の根本的な原因はほとんど調査されていないのが現状である。
 調査されない理由の一つとして、ホームからの転落事故については、国土交通省の事故調査委員会の検証が行われないということがあると述べ、視覚障害者の転落事故を減らすには、事故調査委員会による原因究明をしっかりと行いデータを積み重ねていく必要があると指摘していた。
2. 転落の原因の一つに今のブロックの敷設方法に問題があるのでは。
 現在ホーム上に敷設されているブロックは、階段およびエレベーターから最寄りのドア位置に近い内方線付き警告ブロックまでを結ぶものと、ホームの遠端から約1mのところに線路と平行に敷設されている内方線付き警告ブロックである。そのため、ホーム上をまっすぐに歩く目印となるのは内方線付き警告ブロックだけである。
 しかしこの場所はホームの端からわずか1m前後であり、少しでも方向感覚を間違えると転落に結びついてしまう。内方線ブロックよりもさらに内側で安全なところに視覚障害者が優先して歩くための誘導ブロックを線路と平行に敷設する必要がある。幅6m長さ15mとホームよりは相当短いものの、ホームに見立てた場所で途中に売店などの障害物を設置し、幾度か向きを変えて歩くことも想定してホームの真ん中に誘導ブロックを敷設して何人かの視覚障害者に歩いてもらう実験を行ったところ、途中に幾度か向きを変える場所があっても、誘導ブロックがある方が歩きやすくて方向感覚もずれにくいという結果だったと述べられていた。

 専門家の方々のインタビューはこのような内容であった。

 わたしも内方線付き警告ブロックの内側に誘導ブロックを敷設するということについては決して反対ではない。しかし、これを実際に導入するには綿密な調査とかなり多くの視覚障害者の方に協力してもらっての問題点の洗い出しと検証が必要だろうと思う。
 理由としては、
1. ホームの安全なところに、しかもあまり向きを変えることなくブロックを敷設できる駅がどれくらいあるかである。相対式ホームではある程度可能な駅もあるかもしれないが、特に島式の地下駅などではまず不可能であると思う。
2. ブロックが敷設できたとしても、障害物を回避するため数十カ所の曲がり角ができたり、障害物ギリギリのところに敷設されていたりする状況であっても、視覚障害者が方向感覚を保ちながら歩くことができるのか。またこのような状況であっても誘導ブロックがある方が良いのか。それとも従来の位置に敷設された内方線ブロックの方が良いのか。慎重に調査と検証を行う必要があるのではないかと思う。

(参考)
 日本歩行訓練士会ホームページ http://nippokai.jp/wp/
 「ホーム転落事故を防ぐために」NHK 視覚障害ナビ・ラジオ
   https://www.nhk.or.jp/heart-/shikaku/list/detail.html?id=47218#contents
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4.健康道場 43 ツウは3月に行く
   ゆっくり愛でる一足先の桜
                   わこさん

 桜の定番と言えばソメイヨシノですが、桜には多様な品種があります。3月の京都にも、見事な花を咲かせる品種の桜たちが。ゆっくりと花見が楽しめる名所をおすすめのお甘(アマ)とともにご紹介。

1. 長徳寺
 叡山電鉄京阪電気鉄道の出町柳駅からすぐの場所にある長徳寺。その山門前にあるオカメ桜は京都の春の訪れを告げる桜として愛されています。オカメ桜はイギリスで生まれた早咲きの品種で、寒緋桜の特長を受け継ぎ、濃い紫紅色の花を下向きに付けます。3月中旬から咲く鮮やかな紅色の花は青空の下に映え、遠くからも人々の目を引きます。昨年の台風の被害に遭い往年ほどの花付きは難しいかも知れませんが今年も美しい花を咲かせ京都に春を告げてくれることでしょう。

 おすすめのお甘 出町ふたばの豆餅
 京都の豆餅の代名詞的存在。なめらかな食感のお餅は、並んで食べたい逸品です。
 名代豆餅 1個 200円 
 住所 京都市上京区出町柳通り今出川上ル青龍町236

2. 車折神社(クルマザキ)
 芸能人のパワースポットとして有名。金運・良縁・学業などの神様が祀られる車折神社の境内にある「芸能神社」は、「芸事」にご利益があり、境内を埋め尽くすように並んだ朱塗りの玉垣には、奉納した芸能人の名が記されています。さらに車折神社は「桜ノ宮」とも呼ばれ、桜の名所として人気の顔も持っています。ご祭神・清原頼業(ヨリナリ)が生前、桜を好んだことから、境内にはたくさんの桜が植えられています。約15種40本ほどの桜があり、3月下旬からリレーするように桜が開花していきます。まず花を咲かせるのは河津桜。石造りの鳥居に寄り添うように植えられた桜は、濃いピンクの大きな花びらがうつくしく、境内を歩く人々の目を楽しませます。寒緋桜や早咲きの八重桜と次々と開花する桜の中でも、おすすめは3月下旬に見ごろを迎える渓仙桜は、日本画家・富田渓仙が神社に奉納した早咲きの枝垂れ桜です。車折神社の元宮司でもあった、近代日本画家の巨匠・富岡鉄斎に傾倒した富田渓仙は鉄斎を慕い尊敬していました。まるでその想いを表すかのように、見事に咲く桜は、知る人ぞ知る名木朱色の玉垣の上に薄ピンクの花が咲き誇ります。境内には富岡鉄斎の筆による、裏参道入り口の社号標や本殿の扁額、表参道脇の車折神社碑などがあり、桜とともに楽しむことができます。

 おすすめのお甘 バンボシュール嵯峨野店のプリン
 地元の人に愛されるケーキ屋さんの特性プリン。カリッとしたメープルシュガーの焼き目と、とろとろの食感が絶品です。
 シンデレラプリン 1個 259円
 住所 京都市右京区嵯峨野秋街道町50−5

3. 平野神社
 文字通り、ほかの桜に先駆けて開花する魁桜(サキガケ)。
 平野神社発祥の早咲きの桜で、3月中旬から開花し、この桜が咲くと、京都の花見が始まると言われるほどです。平野神社は桜の社として知られ、約60種類400本余りの桜木が境内を埋め尽くします。魁桜をはじめ、河津桜・桃桜など、3月から多彩な桜が境内に咲き誇ります。3月下旬からは夜桜のライトアップも始まり、幻想的な桜を楽しむことができます。

 おすすめのお甘 どら焼き 亥ノメのどら焼き
 昨年オープンしたどら焼き専門店。ふかふかの生地に甘さ控えめのつぶあんがうれしい。
 あずき 170円
 抹茶 190円
 住所 京都市上京区紙屋川町1038-22  

4. 清涼寺
 通称、嵯峨釈迦堂といわれる清涼寺には、早咲き桜で有名な河津桜があります。この桜は多宝塔の横に近年植えられたもので新たに境内に彩を加えています。多宝塔の周りは、梅やソメイヨシノ、楓があり、3月には梅と河津桜の共演が見られることも。4月になれば、満開のソメイヨシノがまた違う春の景色を見せてくれます。広い境内には桜をはじめとする季節の花々のほか、文化財である仁王門や本堂など、見どころが沢山あります。

 おすすめのお甘 甘春堂 嵯峨野店の干菓子
 茶人の粋と遊び心を感じる、干菓子でできた茶碗です。程よい甘みがお茶の風味を引き立てます。 
 茶寿器 1484円
 住所 京都市右京区嵯峨釈迦堂大門町1−1

5. 実光院
 晩秋は色鮮やかな紅葉背景に、冬は雪の降る中で健気に花を開かせ、木々が芽吹き始める今、春の花々とともに咲き続ける桜があります。京都市の北、大原の地にある実光院で10月中ごろから咲き始め、翌年4月まで咲き続ける不断桜です。ちらちらと控えめに咲く花は、小ぶりながらも優しいピンク色で、清楚な美しさを感じます。見られるのは客殿の西側に広がる池泉廻遊式の旧理覚院庭園で、もとは旧理覚院の寺池で、実光院と統合後、荒廃していた所を歴代住職が手入れをして整えたお庭です。池の周りを散策しながら、借景の山々や庭の木々など、色々な角度から眺めてお気に入りの景色を探してみて下さい。
 おすすめのお甘
 実光院では宮殿でお抹茶と茶菓子を頂けます。目の前に広がる見事なお庭を愛でつつ、ちょっとおちつく贅沢です。
 住所 京都市左京区大原勝林院町187
 拝観料 大人 700円 抹茶菓子付き 

 月刊「茶の間」より引用しました。 

5.私の小さな旅 その11
   能登半島一周と日航ジャンボ墜落の報 
                   今 茨木童子

まだ幼い子供を連れて、金沢から輪島へ。
 お盆とあって超満員の列車。列車は、途中の急な坂をやっと登り切って終点の輪島駅に着きました。ゆっくりというより果たして登れるのかというような状態でした。
 ここで一泊。海に入ろうかと思いましたが、波が荒くあきらめました。
 翌朝「輪島の朝市」を見学。予約してあった定期観光バスで、右回り一週のコースを楽しみました。
 途中、キリコ会館、塩田に寄ったり、白米千枚田(しろよね せんまいだ)や、平家落人の上時国家・下時国家などの見学。最先端部の禄剛崎の灯台も見学して東岸を南下しました。
 途中の見附島(軍艦島)前でバスを降ろしてもらい、国民宿舎に連泊しました。目の前の海水浴場でのんびり過ごしました。夕食を終えてロビーでテレビを見ていると、あの「日航ジャンボ機の墜落」のニュースが報道されていました。この地でも、梅雨の大雨でJRの線路が崩れ、その時丁度通過中の列車が崖下に落ちたそうです。やっと復旧したところだったので、崖下にはまだ落ちた車両が横倒しのまま残されていました。
 ちなみに、見附島(軍艦島)とは、島の形が船の形をしており、上部は緑の木々に覆われており軍艦を思わせる形をしている島です。
 当時は特急の「雷鳥」は冷房がありましたが、金沢からの列車には冷房もなく、天井には扇風機がうなって首を振って回っているだけでした。穴水駅から珠洲市までは有名な○○国会議員の地元として念願の路線が開通して間もない頃でした。しかし、今では和倉温泉駅から先は輪島市方面も珠洲市方面も廃線となっています。
                         

6.編集後記
                    上田 一裕

 わこさんの「健康道場 43」は、京都の花・スイーツ、かずさんの「プラットホームの話 その7」は、ホームでの安全な歩行についての情報です。どうぞご期待ください。
 6月に旬を迎える果物にマンゴフルーツがあります。まだ青いうちはビタミンCの含有量が多く、よく熟すほどベータカロテンの量が増えるそうです。体に良い!マンゴーの栄養成分 マンゴーの約80%ほどが水分で、βカロテン、ビタミンA、C、カリウム、クエン酸も含まれています。主な効能は、美肌効果、貧血予防、便秘改善、高血圧予防、動脈硬化予防、脳梗塞予防、心筋梗塞予防などが、期待できるそうです。
 美容効果やアンチエイジングでも注目されていますので、この夏お勧めの、フルーツの一品ではないでしょうか。
 読者の皆様にはご自愛ください。
                          


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