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つみぐさ 令和4年12月号

目次

 1.漢字の義 32 水・さんずい偏
 2.暮らしミニ情報 家計の節約にもなるSDGs 暮らしの中でできること
 3.踏切は危険 その1
 4.健康道場 52 京の新春
 5.私の小さな旅 その21 修学旅行 その3 5日目は、鹿児島県そして岡山へ
 6.編集後記

1.漢字の義 32  水・さんずい編
                         わこさん

1  水の上にてん(永久の「永」)
   読みは、エイ・ヨウ・ながし・ながく・とこしえに
   字源は、長く流るる間には或は分かれ或は合流し支流を作る、
       支流あるは長きなり
   意味は、水流し、遠し、久し
   熟語は、永日(エイジツ) ひなが、又春ののどかなる日
    永世(エイセイ) ながく年月のたつこと
永古(エイコ) 久しきむかし

2  さんずい編に丁(てい)[1丁目の「丁」](汀)
   読みは、テイ・チョウ・ヂョウ・みぎわ
   意味は、なぎさ・きし・みずぎわ
   熟語は、汀沙(テイサ) 水際の砂
       汀泥(テイデイ) どろみず、又はどろ
       汀州(テイシュウ) 水中の砂地のあらわれたる處

3  さんずい編に干(ほす)(汗)
   読みは、カン・ガン・あせ
   意味は、皮膚より浸出する液、液分泌すること
   熟語は、発汗(ハッカン) 汗をかくこと
       汗孔(カンコウ) 汗の出るあな
       汗血(カンケツ) 汗を血の如く流すこと

4  さんずい編にカタカナの「エ」(江)
   読みは、え・コウ・キミ・タダ
   本義は、揚子江のこと。転じて支那南方の水流の総称
   意味は、揚子江、我が国にては「エ」と訓読みする。
       湖や海などが陸に入りこみし處。
   熟語は、江氷(コウヒョウ) 河に張りたる氷
       江汀(コウテイ) 河のみぎは
       江面(コウメン) 河のおもて、かわづら

5  さんずい編におよそ[平凡の「ぼん」](汎)
   読みは、ハン・ホン・ホウ・ブ・フウ・ヒョウ・ビョウ・ただよう
   意味は、かろし、あまねし、ひろし
   熟語は、汎舶(ハンパク) 大船をうかべること
       汎掃(ハンソウ) 退け拂うこと
       汎海(ハンカイ) 舟にて海に浮かび出づること
       汎アジア主義(ハンアジアシュギ)(「汎」は接頭で名詞について、
       「広くそのすべてにわたる」という意味を表す)
        
   これらの漢字は講談社の大辞典より引用しました。

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2.暮らしミニ情報 
   家計の節約にもなるSDGs 暮らしの中でできること

                         大滝 龍

SDGs って?
  まず、SDGsとは何なのか。英語のSustainable Development Goalsの略で、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されています。これは、2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連の加盟国193カ国が2030年までに持続的でより良い世界を目指す国際目標です。

  SDGsは17のゴール(目標)と、それぞれ達成するための具体的な169のターゲットで構成されています。
  17の目標は以下の通り。
  1. 貧困をなくそう
  2. 飢餓をゼロに
  3. すべての人に健康と福祉を
  4. 質の高い教育をみんなに
  5. ジェンダー平等を実現しよう
  6. 安全な水とトイレを世界中に
  7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  8. 働きがいも経済成長も
  9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
  10. 人や国の不平等をなくそう
  11. 住み続けられるまちづくりを
  12. 作る責任 使う責任
  13. 気候変動に具体的な対策を
  14. 海の豊かさを守ろう
  15. 陸の豊かさも守ろう
  16. 平和と公正をすべての人に
  17. パートナーシップで目標を達成しよう

 普段の暮らしの中で何をすれば?
 では実際に私たちの暮らしの中で何を意識すればいいのでしょうか。17の目標のそれぞれに多かれ少なかれやれることはありますが、個人で始めやすいのは12番目の「作る責任 使う責任」や13番目の「気候変動に具体的な対策を」ではないでしょうか。12番目は廃棄物を減らすなどして小持続可能な消費と生産のパターンを推進すること、13番目は温暖化ガスの排出が原因となる地球温暖化、世界各地での気候変動やその影響を軽減することを目指すものです。
 それでは、これらの目標に対して私たちが暮らしの中でできる具体的な例をあげてみます。

食品ロスを減らす
 買った食材を無駄にしない
 もしも買ったけれど食べるまでに傷んでしまったようなものがあれば、「捨ててしまった簿(リスト)」をつけて、自分の傾向をつかむようにします。
 捨ててしまうところも工夫して食べる
 野菜の皮や茎など今までなら捨ててしまっていたような部分も食べる工夫を
 残り物はリメイクして食べる
 食事で残ったものはそのまま捨ててしまわずに、翌日に何か他のメニューにリメイクしましょう。残り物というイメージをなくし、飽きずに食べることができます。
 規格外の野菜や賞味期限ちかくなった食材を買う
 形が悪くて一般の流通にのせられない野菜や、賞味期限がちかくなった調味料や缶詰などを積極的に購入することで、食品ロスを減らすことができます。
 
電気の無駄遣いを防ぐ
消し忘れ防止
 照明の消し忘れが多い場所をチェックし、その場所を人感センサー付のLED(発光ダイオード)電球に換えてみてはいかがでしょうか。人が近づいたら点灯し、いなくなったら消えるようなしくみになっています。
だらだら使いしない
 見ていないテレビなど、ただつけているだけの使い方は無駄遣いですね。それを防ぐためにもタイマーを利用してみてはいかがでしょうか。テレビなら見始める時にオフタイマーを設定する。タイマーがついていないものなら、スマホのタイマーやキッチンタイマーで終わりの時間を設定して、時間を意識して使うことをお勧めします。
冷蔵庫の消費電力を抑える
 冷蔵庫は扉を開くと中の温度が上がりそれを下げるために、電力を消費します。夏は室内にいる時も冷たい飲み物を水筒に入れてそこから飲むようにすることで、冷蔵庫を開閉する頻度を少なくすることができます。
   
ガスの無駄遣いを防ぐ
必要がない時にお湯が出るのを防ぐ
 現在はリモコンがついたガス給湯器を利用しているご家庭も多いはずです。キッチンや浴室などのガス給湯器のリモコンの電源が入っているだけならばガスが使われるわけではありませんが、赤いランプや「燃焼」という文字が点くとガス給湯器が点火していることになります。
 たとえば、キッチンシンクにある蛇口レバーを左右にすることで水やお湯が出るタイプであれば、使い方に注意が必要です。 
 水でいいのにレバーをお湯側にしたままで出していますと、そのたびにガスが点火してしまっています。水でいい場合は意識してレバーを水側にして使うようにしましょう。
保温料理でガスを使う量を減らす
 調理の時に使うガスコンロ(IHのご家庭では電気になります)、これも使い方によってガスの使用量を減らすことができます。長時間煮込むような料理や、茹でるものなどでは、調理時間よりも早めに火を止めて鍋にふたをすることで食材に火を通すことができます。蓋をすれば中の温度が急激に下がることがないからです。調理するものによって保温調理の時間は変わりますが、是非試してみてください。

水を無駄遣いしない
シャワーを流しっぱなしにしない
 お風呂に入ってシャワーを使う人も多いでしょう。流す必要がない時も止めるのが面倒で流しっぱなしにしている人はいませんか? 一般的にシャワーは1分間で12リットルの水が流れ出ています。もしも無駄に流してしまっているのであれば、シャワーヘッドを止水スイッチ付のものに換えてみてはいかがでしょうか。手元にスイッチがあることで頻繁に止めることができます。

積極的に2次利用水を使う
 わかりやすい例では、お風呂の残り湯を洗濯や掃除に使ったり、お米をといだ水を料理後のフライパンなどを洗うのに使うことができます。水を2次利用することを心がけていると水道料金をぐっと減らすことができます。 
   
 普段の生活の中でできるSDGsをご紹介しました。ご覧いただくとわかるように、今回ご紹介したSDGsはどれも家計の節約にも繋がるものです。 そう考えると取りかかりやすいのではないでしょうか。ぜひ一度自分の暮らしでできそうなSDGsについて考えてみてください。

  矢野きくの
 家事アドバイザー・節約アドバイザー。明治大学卒。女性専門のキャリアコンサルタントを経て現職に。家事の効率化、家庭の省エネなどを専門にテレビ、雑誌、講演などで活動。
 著書 「シンプルライフの節約リスト」(講談社)ほか
 オフィシャルサイト https://yanokikuno.jp
  (2021年5月13日付 日経新聞電子版より)

  
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3.踏切は危険 その1
                           かず

  今年の4月、奈良県大和郡山市の近鉄橿原線の踏切を横断中の視覚障がい者が特急電車にはねられて死亡するという痛ましい事故が起きてしまった。防犯カメラなどの状況によると、ほとんど渡り終えたところで警報器が鳴り始めた。そのまま渡りきるのでなく、Uターンして線路内に戻ってしまい、遮断機が下りて脱出できず、はねられたのではないかと言われている。詳しい事故の状況については現在調査中である。原因の究明を正確におこなっていただきたいとともに正確な情報を公表してほしい。
 この事故を受け、近畿の日視連に加盟する視覚障がい者団体を中心に、鉄道会社および国土交通省に対して、
「視覚障がい者が単独で踏切を安全に渡ることができるよう踏切内への誘導ブロックの設置など安全対策を早急に実施してほしい。」
という要望書を早期に提出するとともに、近畿地区の鉄道会社との懇談を行った。
 その結果国土交通省は、6月9日、踏切道での安全対策を強化するため「道路の移動等円滑化に関するガイドライン」を改定した。その内容を記すと、「踏切手前部での視覚障害者誘導用ブロックの設置を標準的な整備内容とする。また、踏切内での表面に凹凸のある誘導表示の設置を望ましい整備内容とする。また、特定道路では、歩道の踏切道手前部に、点状ブロックによる踏切道を注意喚起するとともに、線状ブロックを部分的に設置することで、注意喚起する点状ブロックに適切に誘導すること」を定める。
 踏切道内には、鉄道事業者とも連携し、視覚障害者が車道や線路に誤って進入することを防ぐとともに踏切の外にいると誤認することを回避するため「『表面に凹凸のついた誘導表示など』(歩道に設置する視覚障害者誘導用ブロックとは異なる形式)を設けることが望ましいとする。この場合、踏切道手前部に設置する線状ブロックで示す移動方向と、踏切内での誘導表示が示す移動方向を直線的に連続させるようにするものとする。」
というものである。しかし現段階では、あくまでも「ガイドライン」が改正されただけで、法律による規制(義務・努力義務)とはなっておらず、「望ましい」と言う表現にとどまっている。
 全国には3万以上の踏切があると言われている。大阪府内にも多数存在している。
 このガイドラインが示されたことにより、我々も踏切に対しての安全対策を要望しやすくはなった。しかし安全対策が実施されるには相当の時間がかかると思われる。
 そこで今回から私なりに踏切を渡るときの危険についてや危険を少しでも回避する方法などを書いてみたいと思う。あくまでも私の経験や主観であるということをご理解の上読んでいただければ幸いである。

1 踏切は信号のある道路を渡るよりも危険?
 踏切は道路と違い、ほぼ毎日使う人と全く使わない人に完全に分かれるものである。
 全く使わない人にとっては、どういう危険があるのかよくわからない人も多いと思う。なかには、「警報器があんな大きな音で鳴り響くとともに、遮断機が下りるので、渡ってはいけない時に渡ることなど考えも及ばない。音響信号機のない道路を渡るよりはずっと安全だろう。大きな道路の青信号よりは開いている時間がずっと長いので安全だろう。」と思っている方もおられるかもしれない。
 たしかに音響信号機のない道路を渡るのとは違い、「渡ってはいけないとき誤って線路内に入ることは少ないだろう。」それだけをみると道路よりも安全だと思えるかもしれない。しかし実はそうではない。道路を渡るときとは違う危険がたくさんあるのである。
 まずは「踏切を渡るときの危険」について見ていこう。なお、踏切内では、「右を車道」「左を線路敷地内」として説明したいと思う。
(1)車道と歩道・線路敷地内を区切ることができない。
  踏切は人や車が通る以外に電車が、人が通る方向とほぼ直角に通過する。そのため、人が歩く部分と車道・線路敷地内を分離するためのガードレールや囲いを設置することはできない。また歩道部をすこし高くすることもできない。そのため、踏切手前までは車道と分離された歩道があったとしても、踏切に近づけば歩道と車道が分離されなくなってしまう。そして踏切内は必然的に歩車道そして線路敷地内が分離されない区域となってしまう。歩行者が歩くところを示す方法としては、歩道部の色を変えるくらいである。ここに足や白杖で確認できる凹凸の識別帯を設置することがガイドラインに追加されたのである。
(2)狭い場所を一斉に歩行者・自転車・車が横断する。
 信号のある道路を横断する場合は、幅数メートルの横断歩道内を歩いているかぎり、車と出会うことは比較的少ない。とはいっても右左折する車があるので注意することは必ず必要である。車はある程度離れたところを横断するようになっているのがほとんどである。しかし踏切は違う。先ほど述べた歩車道と線路敷地内が全く分離されていないところを人・自転車・車が遮断機が上がるやいなや一斉に渡るのである。 
 しかも多くの踏切は対面の2方通行のことが多い。また幅もけっして広くないことが多い。そのため、我々は踏切内では、少しでも右にずれると車と衝突、左にずれると線路敷地内に入ってしまう。もしそこで方向感覚を失い脱出できず、警報器が鳴り始めると大変なことになる。二重の危険にさらされながら横断しなければならない。
 しかも横断する距離は短くても10メートル弱、長いと数十メートルにもなることがある。こんな距離で誘導ブロックはもちろん道しるべになるようなものがないところをまっすぐに歩くのはほんとうに至難の業であると言える。
 我々が駅ホームを歩くとき「欄干のない橋を歩くようなもの」と表現しているが、踏切を渡る時の私の表現としては、
「流れの速い川を足首まで水につかりながら渡る」という状況と言えるかもしれない。
(3) 横断する前後も危険
 道路を横断するとき横断歩道の前後はほぼ歩道になっているのが一般的である。
 しかし踏切の場合は、そうでないことが多い。まずしばらく歩道のない道が続いていることもある。そして踏切の前後すぐのところに線路と平行に道路が交差していることが多い。しかも信号や横断歩道がないことが意外と多い。また道は一方通行もあれば交互通行もある。
 線路と平行する道路があるということは、その道路から右左折して踏切を横断する車や逆に横断してすぐ左右に曲がる車もあることを忘れてはいけない。
 我々はやっとの思いで踏切を渡ったとしても、状況によっては、車にも注意しつつ、道路を横断して速やかに安全な場所までたどり着かなければならない。
(4)踏切内には線路という溝がある
 踏切内には当然であるが線路が引かれている。これも構造上地面と全く同じ高さにすることはできない。そのため線路の部分には、幅数センチ、深さ10センチくらいの溝ができてしまう。しかもそこは金属でできている。
 そのため、雨の日などは、金属部分で靴が滑ってしまったり、高齢者などはすり足で歩いているとつまずいて転倒することもある。またまれではあるが、細いヒールが溝に入って抜けなくなったという話を聞いたこともある。これにも注意しなければならない。しかし後に述べるが、この溝というのが我々にとっては、今踏切のどのあたりを歩いているのかという唯一の道しるべとなるのである。
(5)いつ警報器が鳴り始めるかわからない。
   また鳴り始める間隔が一定ではない。
 道路を横断する信号は例外を除いて青信号と赤信号の間隔や長さはほぼ一定である。しかし踏切はそうではない。横断する踏切を通る電車のダイヤを知っている方なら、ある程度いつ警報器が鳴り始めるかわかるかもしれない。そういう人はほぼいないと思う。そのため、今渡り始めたとしても、いつ警報器が鳴り出すかはわからない。そのため横断中に警報器が鳴り始めることも想定しておかなければならない。また長く待たされてようやく遮断機が上がったとしても、わずか20秒くらいで再び警報器が鳴り始めてしまうことも珍しくはない。特に朝夕のラッシュ時には良くあることである。そのような状況にも対応することが必要である。
 踏切横断は、道路を横断するのとは別の危険が非常に多いことを踏まえておかなければならない。音響信号のある道路よりはるかに危険と言ってもまちがいないだろう。ホームドアの無い島式ホームを歩くときと同様きわめて危険な場所を歩くということを今一度意識することが必要である。
 次回は、横断する際の注意点などを記したいと思う。

(参考)
 国土交通省【道路の移動等円滑化に関するガイドライン(令和4年6月)】
 https://www.mlit.go.jp/road/road/traffic/bf/kijun/pdf/all.pdf


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4.健康道場 52 京の新春
                         わこさん

 京の街に新たな1年がやってきました。寺社や町家の軒先、花街を覗けば、せわしなく過ぎた年末から一転、粛々と新年を祝う光景がひろがっています。いつもと違う静寂に包まれた京都の街をご紹介します。

  しんしんと降る雪が、春待つ梅の枝に銀華を咲かせる・・・。
学問の神様がおわす天満宮は新たな年を迎え、威光をより一層のものとしています。厳かな赤と静寂の白、吉兆のしるしに、捧げる祈りにも想いが重なります。京都でも有数の梅の名所として知られる北野天満宮。?学問の神様・菅原道真公が祀られており、毎年全国から参拝者が訪れますが、雑踏も忘れて心静かに感じられるのは、聖地ゆえなのかもしれません。春を告げる梅の花が恋しいですが、雪の華を愛でられるのもこの時期だけ、雪の白さがあざやかな朱色の社殿に映えています。

  ぽっくりぽっくり、石畳に響き渡るはんなりとした音。
 「おめでとうさんどす」 正装姿の芸舞妓が、新春のあいさつを交わし、花街の一年の始まりを告げます。愛らしい白粉のうなじを、厳かな黒紋付に包んで、新年の精進を誓います。
 京都市内にある5つの花街お茶屋さんが立ち並び、芸舞妓が行き交う趣ある街並みにも、新年の華やかさと厳かな空気が漂っています。この日は花街の仕事始めの日です。いつもは季節ごとの愛らしい着物を纏う芸舞妓たちも、この日は正月用の稲穂のかんざしを挿して正装の黒紋付姿で登場です。
 
  雪舞う薄曇りの花街で、町家の格子から漏れるあたたかな光
 「どうぞ、おこしやす」 年神様をお迎えする目印の門松が、清らかな青さを輝かせています。
 上七軒は、京都最古の花街です。北野天満宮の再建の際に残った資材を使って七軒の茶店を建てたのが由来と伝わる、古い家々が並ぶ伝統的な街です。門松は、年神様にお迎えの準備が整ったことを知らせ、迷わずに来られるように飾られています。
 
 喧騒を離れて由緒のある神社へ。
芸能上達、延命長寿。
神楽を舞った神の伝説が残る積み重ねた歴史の上に、真新しい雪が降り
しきる・・・。 
 しゃりしゃり・・・と、鳴る歩みの音さえ聖なる奏のよう。神聖な道を覆う白を踏みしめて、一年の邪気を祓う神事へ神職の一行の清らかな衣にもはらりと雪が舞い落ちます。陰翳礼讃、社殿の暗闇から雪明りに照らされて朱色が輝く静かに新年を寿ぎます。
 世界遺産 上賀茂神社。神代の時代に縁深い神社では毎年1月7日白馬奏覧神事が行われます。宮中の儀式である白馬節会(あおうまのせちえ)を神事化したもので、年の初めに白馬を見ると一年の邪気が祓われるとされています。新年の朝日を浴びて輝く白馬がいっそう神々しく輝いています。

 月刊「茶の間」より引用しました。

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5.私の小さな旅 その21 修学旅行 その3 
   5日目は、鹿児島県そして岡山へ
                        今茨木童子

 五日目、宮崎市内のホテルを出発。鹿児島県に向かう。バスは都城市(みやこのじょうし)へ。ここは霧島連山新燃岳(しんもえだけ)。現在も噴火活動を続けている。飛んでくる噴石や風向きにより降ってくる火山灰に悩まされています。なにせ、噴火口から5km程の距離のためです。バスは峠を越えて鹿児島県に入りました。戦時中特攻基地のあった鹿屋市(かのやし)を通り、大隅(おおすみ)半島の西側を南下。大正時代に大噴火して、それまでは文字どおり島であった「桜島」が、噴出した溶岩によって、陸続きになった。そこから桜島に入ります。流れ出た溶岩がゴロゴロしていて、草木も生えていない溶岩台地の中に作られた道路を通りフェリー乗り場に行きフェリーで鹿児島市に渡ります。
 城山公園に向かい西郷隆盛の銅像を車窓から見て登山道を上ります。途中の右側の崖に掘られた避難壕の中で、西郷隆盛は流れ弾に当たり亡くなったと聞きました。駐車場に入り、展望台に出て市街地の向こう側に、岩峰「桜島」が聳えます。北岳・中岳・南岳の三つの峰からなるその勇姿は「日本のナポリ」にふさわしい景観です。しかし、巨大噴火したら県民はどこへ避難するのでしょう? などと思う。バスは最後の見学地、「磯庭園(いそていえん)」に着きました。ここは島津77万石の殿様の別邸で広大な邸内はさすが島津の殿様が住んでいたと感心しました。さあいよいよ岡山へ帰ります。西鹿児島駅(現 鹿児島中央駅)から、準急大阪行きで夜を徹して走って岡山の倉敷駅で下車。伯備線(はくび)に乗り換えて高梁(たかはし)まで帰ります。しかしながら、私の旅はまだ終わりません。なにせ、我が家は更にバスで1時間それから歩いて山を登ること1時間半、やっと我が家に着きます。(別ルートのバスだと、10分ほどの所にバス停はありますが、朝夕の二本のみで3時間ほどかかります。)
 若かりし時の思い出を書き綴りましたが、今回で終わりました。


                              このページの先頭へ

6.編集後記
                        上田 一裕

 かずさんの「踏切は危険 その1」は、踏切の危険性と横断時の工夫についての私見です。今茨木童子さんの「私の小さな旅 その21 修学旅行 その3」は鹿児島県から岡山への旅行エッセイです。どうぞご期待ください。
 いよいよ卯年です。その容貌から家内安全と飛躍の象徴とのことです。希望と期待の歳になりそうな予感がしますね。
 読者の皆様方には、ご自愛ください。

                              このページの先頭へ



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