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つみぐさ 令和5年9月号

目次

 1.漢字の義 35 さんずいへん
 2.暮らしミニ情報 酒粕のグルタミン酸、うま味増す工夫 料理を
 3.この何年かで変化が起きそうなこと もう起きていること その2
 4.健康道場 55 素敵な花言葉の花を訪ねて
 5.私の小さな旅 その24 蒜山高原(岡山県)と湯原温泉 いい湯だな
 .大阪に関連すること いろいろ3
 7.編集後記

1.漢字の義 35 さんずいへん
                         わこさん

1 さんずい偏に少ない(沙)
  読みは、サ・シャ・シ・すな
  意味は、水中の散石、砂や小さい石
  熟語は、沙中(サチュウ) 沙(スナ)の中
      沙壌(サジョウ) すなはら、すな地
      沙場(サジョウ) おおすなはら

2 さんずい偏に且つ(沮【また、同時に】)
  読みは、ショ・ソ・ゾ・セン・はばむ
  意味は、川の名。やぶる。過ぎる
  熟語は、沮止(ソシ) さまたげること
      
3 さんずい偏に由(よし)(油)
  読みは、ユ・ユウ・あぶら
  意味は、川の名、転じて水の流るること
  熟語は、油火(アブラビ) ともしび
      油石(アブライシ) 油ぎって光沢ある石。石炭の異名
      油田(ユデン) 地下から石油が産出する地域。また油層が存在する区域

4 さんずい偏に刀の下に口(沼)
  読みは、ショウ・ぬま
  意味は、水草が茂り透明度が低い。湖との区別は明確でない
  熟語は、沼水(ヌマミズ) 沼にたまれる水
      湖沼(コショウ) 沼と湖

5 さんずい偏にムの下に口(治)
  読みは、チ・ヂ・タイ・おさむ
  意味は、おさめる。なおす
  熟語は、治田(チデン) 田を耕すこと
      治者(チシャ) 国を治める者
      政治(せいじ) 統治者が民に施す施策。まつりごと

 これらの漢字は講談社の大辞典より引用しました。

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2.暮らしミニ情報 酒粕のグルタミン酸、うま味増す工夫 料理を科学する
                         大滝 龍

 新酒の季節は酒粕の旬でもある。料理に甘味とうま味を加えてくれる調味料で、おかず、スイーツと幅広く活用できる。主役にも縁の下の力持ちにもなれる食材を知ってほしい。
 新酒のできる冬にはできたての酒粕が多く出回る。かす汁にしたり、甘酒をつくったり。肉や魚、野菜を粕漬けにするのもおいしい。
 蒸した米と水を主原料に、麹菌や酵母といった微生物を働かせてつくるのが清酒だ。麹菌からの酵素によって米のデンプンが糖に、タンパク質はアミノ酸に分解される。糖は酵母によってアルコールに変わる。こうしてできた「もろみ」を圧搾し、清酒の原酒ができる。のこる絞り粕が酒粕だ。
     
  食物繊維、ビタミン・・・酒粕に豊富な栄養素
 「粕」という言葉だけ聞くと、つまらない物のように感じるかもしれないが、酒粕には役立つ成分がたくさん含まれている。タンパク質や食物繊維、ビタミンB群の栄養素が豊富で、健康の維持に役立つ他の機能性成分についての研究も進められている。もちろん糖やアミノ酸、酵素も残っているので、料理にうまく活用したい。
 家庭で酒粕を楽しむ方法として、すぐ思いつくのが粕汁だろう。酒粕をたっぷりと溶いた汁はとろみがあって温かく、寒い時期にぴったりのメニューだ。   

  グルタミン酸のうまみ
 酒粕には、酒の香り、とろりとした食感の印象が強いだろうが、うまみの濃さも大きな特徴だ。米のタンパク質が分解されてできた豊富なアミノ酸のうちのひとつ、グルタミン酸は昆布出汁にも多く含まれるうまみ成分だ。
 NPO法人うまみインフォメーションセンター(東京 千代田区)が調べたものでは酒粕100グラムにグルタミン酸が172ミリグラム含まれていたそうだ。グルタミン酸が多い食材として知られるトマトと同程度だ。
 私たちに身近な発酵食品では味噌もグルタミン酸を多く含む。米味噌と比べると、酒粕の含有量は半分程度だ。ただ塩分の多い味噌と違い、酒粕はたくさん入れてもしょっぱくはならないのが利点になる。水にたっぷりの酒粕を溶き入れると、出汁を使わなくてもうま味の濃い煮汁ができるという訳だ。
 粕汁のレシピには出汁を使うケースも多いが、試しに出汁を使わずに水で作ってみてほしい。人それぞれ好みは違うと思うが、筆者は酒粕や具材の味わいがよりしっかりと感じられる気がする。

  シンプルな粕汁で味わう
 具材を入れず、酒粕と味噌、水だけでも簡単で滋味深い汁ものになる。小鍋に水を入れて沸かし、そこに酒粕を加える。よくほぐして溶かしたら、しばらく煮立たせてアルコール分を飛ばしていく。ここに砂糖を加えれば甘酒になるが、代わりに味噌を溶き入れる。これで酒粕のうま味と香りを十分に味わえる和風ポタージュができる。シンプルで無駄のない「ミニマル」な粕汁だ。
 出汁を使わずに仕上げる粕汁には根菜の他、鮭やぶりといった魚介類、しいたけなどのキノコ類を入れるようにしたい。魚からはうま味成分のイノシン酸、キノコからは同じくグアニル酸が煮汁に溶け出す。これらの成分はグルタミン酸との組み合わせでうま味が増幅する。いわゆる「うま味の相乗効果」だ。 昆布(グルタミン酸)、かつお節(イノシン酸)、干しシイタケ(グアニル酸)の合わせ出汁を使う代わりに、酒粕と魚介、キノコを組み合わせる。うま味たっぷりの煮汁になるだろう。
 
  「ミニマル粕汁」をつくろう 3ステップ 材料は一人分
 ※「ミニマル」とは、「最小限であるさま」のこと。
1. 湯を沸かして酒粕を投入
 小鍋に水100ミリリットルを入れて火にかける。沸騰したら火を止め、酒粕50グラムを小さくちぎって加える。
2. 湯の中で混ぜて溶かす
 スプーンの背やヘラを使い、酒粕をお湯となじませるようにつぶして混ぜ合わせる。再び火にかけ、しばらく煮立たせアルコールを飛ばす。
3. 仕上げ
 味噌大さじ1/2を溶かし入れ、水を50〜100ミリリットル足してとろみを調節。好みで刻みネギやおろしショウガの汁を加える。
 
  粕漬けで味わい深く
 酒粕の使い道では粕漬けも忘れてはいけない。魚の粕漬けは魚介類のイノシン酸と酒粕のグルタミン酸の相乗効果が生かされる食品だ。魚を酒粕に漬け込めば、保存性が増すうえ、甘みやうま味が沁み込んで味わい深く仕上がる。?菌の酵素がタンパク質を分解し、身がほろりとほぐれやすくもなる。
 酒粕を「塩味をつけずに甘みやうま味を加える調味料」ととらえれば、活用の幅が広がるだろう。
 たとえば煮込み料理や鍋物、スープに溶き入れると、風味やコクが増す。とりわけクリームシチューやホワイトソースとは見た目も、味から言っても相性がよい。炒め物やスイーツの隠し味にも使える。いろいろな料理で試してみよう。ただしアルコールを8%前後含むため、お酒に弱い人にはしっかりと加熱できる料理に使うようにしたい。

  熟成度に応じて味や色が変化
 酒粕は熟成によって味わいや色が変化する。デンプンやタンパク質の分解が進み、甘みやうま味が増して味が濃くなると考えられる。糖とアミノ酸の間で進む「メイラード反応」で褐色の色素ができ、色も徐々に濃くなっていく。搾りたての白っぽい酒粕は甘酒にしてフレッシュな香りを楽しみ、色づいてきたら、料理のコク出しに使うのがおすすめだ。
 酒粕の表面に白い粉が出てくるときがあるが、これは分解によって生じたアミノ酸のひとつ、チロシンが結晶化したもの。そのまま使って問題ない。
 (科学する料理研究家 平松サリー)
 (2023年2月6日付)

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3.この何年かで変化が起きそうなこと もう起きていること その2
                           かず

 今回は、待望の鉄道延伸で観光・ベッドタウンに加えて、ビジネス・教育の拠点として大きく飛躍が期待される箕面市の話題を記したいと思う。
 2023年度末に北大阪急行の千里中央から箕面萱野駅間約2.5キロが延伸開業する予定である。延伸区間の2駅すべてに「箕面」と名付けるなど、大々的に市をアピールしている。この鉄道への期待は想像以上に大きいようである。
 当初2020年度末の開業を予定していたが、工事の遅れなどで約3年間延期されたこともあり、開業日の正式発表を待ち望んでいる。
 以下に関連するコラムを紹介する。

  北大阪急行延伸で急上昇する箕面の知名度

2023年度末、大阪メトロ御堂筋線の行き先は千里中央から箕面萱野に
 北大阪急行線は大阪市の北に位置する吹田市と豊中市を走り、ビジネス街にある江坂駅と「せんちゅう」こと千里中央駅を結ぶ全長5.9kmの路線だ。途中駅は緑地公園と桃山台の2駅だけ。「急行」と冠しているが各駅停車しか走らない。
 だが、その強みは大阪市中心部を南北に貫く大動脈である大阪メトロ御堂筋線との相互直通運転にある。千里中央駅からは日中も8分おきに「なかもず」と行き先を表示した電車が出発していて北摂エリアの通勤通学の足を担っている。

御堂筋線の直通先が延伸
 2023年5月20日に開業90年を迎えた大阪メトロ御堂筋線は同社線でもっとも古い路線。吹田市の江坂駅と堺市の中百舌鳥(なかもず)駅の間の24.5kmを結ぶ。途中、新大阪、梅田、淀屋橋、本町、心斎橋、難波、天王寺といった主要エリアを通る。淀川以北では幹線道路の新御堂筋に挟まれ、クルマと並んで地下鉄車両が走る姿がおなじみになっている。

 一方、北摂エリアの東西の公共交通を担うのは大阪モノレール。1990年6月1日に最初の区間である千里中央―南茨木間が開業した。その後延伸を繰り返し、西は大阪空港、東は門真市までの本線と、万博記念公園から分かれる彩都線、合わせて18駅を有する路線に成長した。さらに2029年を目標に門真市から南へ、近鉄奈良線と接続する瓜生堂(仮称)まで延びる予定だ。

 ほかにも大阪周辺で新線計画が目白押し。そのなかでいま、大きく進化しようとしているのが北大阪急行線だ。2023年度末、長年にわたって終点だった千里中央から北へ、箕面市の「箕面萱野駅」までの延伸区間約2.5kmが開業する。

 北大阪急行線は1970年2月24日、日本万国博覧会(大阪万博)の開幕を前に南北線と会場線(東西線)が開業した。現路線に「北大阪急行南北線」という名称があるのはその名残。当時は「万国博急行」との愛称もあった。

 会場線は現在の千里中央駅手前のトンネル内で東へカーブを描き、万国博中央口駅まで結んでいた。中国自動車道の上り線に暫定的に線路を敷設、“千里中央駅”はそのルート上の仮駅だった。御堂筋線の南端だったあびこ駅までの相互直通運転によって全国から押し寄せる万博来場者の輸送に貢献、万博閉幕後はベッドタウンの通勤通学の足となり現在に至っている。

 今回の延伸の事業主体は箕面市と北大阪急行電鉄。総事業費は874億円。内訳は工事費811億円、車両費63億円となっている。総事業費のうち、北大阪急行が110億円、国と地方(箕面市と大阪府)が382億円ずつを負担する。箕面市の負担分282億円は全額、ふるさと納税を含む寄付などを積み立てた「北急貯金」と競艇収益金でまかなうという。

延伸で2つの新駅誕生
 延伸区間の途中には「箕面船場阪大前駅」を設ける。周辺はもともと繊維卸業者の商業団地として開発されており、地名は大阪市中央区の船場に由来する。駅前には大阪大学箕面キャンパスの建物と、市立文化芸能劇場と船場図書館などで構成する複合公共施設がすでにオープンしている。市は新御堂筋を渡る歩行者デッキと駅前広場も整備する。

 千里中央駅から箕面船場阪大前駅の先までがトンネルで、箕面萱野駅寄りの800mは高架となる。終点の箕面萱野駅は、地元では「いないち」と呼ぶ国道171号線の萱野交差点を越えた先に建設中。「みのお中央」エリアの大型商業施設「みのおキューズモール」と直結する。駅ビルのほか、バスターミナルやタクシー乗り場・駐輪場を整備する。

 箕面市の人口は2023年4月末時点で13万8892人。大阪北部の主要なベッドタウンの1つであるほか、箕面大滝や勝尾寺をはじめ、紅葉の名所というイメージが強い。広報紙は「もみじだより」、文化施設は「メイプルホール」と市はモミジを前面に押し出している。

 また萱野は、赤穂藩士・萱野三平重実(かやのさんぺい しげざね)ゆかりの地として知られる。主君・浅野内匠頭長矩(あさのたくみのかみ ながのり)による松之廊下刃傷事件の発生を赤穂に急報した人物で、討ち入りへの参加を希望するも、父親は反対。忠孝の間で思い悩み、主君の月命日に自刃したとされる。
 東京・高輪の泉岳寺には四十七士の墓とともに供養碑がある。現在も萱野三平旧邸が大阪府指定史跡として保存されていて、国道171号線の阪急バス「萱野三平前」のバス停にも名を残す。

 現在、箕面市で鉄道駅があるのは市西部のみ。阪急電鉄宝塚線の石橋阪大前駅から箕面駅へ箕面線が延びていて、沿線に箕面市役所や公共施設が点在する。「ミスタードーナツ1号店」は箕面駅近くにある。北大阪急行線延伸によって千里中央を発着する箕面市内へのバス路線も箕面萱野を核として再編されることになる。

 箕面市地域創造部鉄道延伸室の担当者は「これまで鉄道空白地帯だった地域で、東西方向の交通利便性も向上する。鉄道の定時性・速達性のメリットを享受できるほか、自動車依存度を下げることで道路渋滞の緩和や環境面で期待できる」と強調する。そのうえで「駅前施設が充実して市全体の魅力がアップすることをアピールし、若い世代の定住につなげたい」と話していた。

行き先が「箕面萱野」のインパクト
 箕面市と北大阪急行電鉄は延伸に向けて9000形(10両編成)を3本増備する。2023年8月1日から順次、北大阪急行線・御堂筋線で運行を開始する。9000形は2014年4月以降に導入された車両だが、増備車では新たに防犯カメラを設置する。

 「箕面ラッピングトレイン」として、2本の前後2両ずつには箕面をPRする装飾を施す。箕面大滝や紅葉を基調に四季の移り変わりを描き、残る1本は箕面PRキャラクター「滝ノ道(たきのみち)ゆずる」と「モミジーヌ」のイラストを車体に大きくラッピングする。「難読地名と言われることがあるが、ひらがなやローマ字を併記することで読み方も浸透させたい」(市の担当者)という。

 北大阪急行電鉄延伸事業部の担当者も「これまでの箕面はアクセスに少々時間を要したが、大阪都心に直結する鉄道が延びてくるため利便性が格段に向上する」とメリットを挙げる。開業後の運行ダイヤについては、現時点で未定といい「大阪メトロ等の関係者と調整のうえ、決定次第お知らせします」と説明している。

 現在の千里中央行きの電車は「基本的には箕面萱野駅折り返し」(同社)となる。北大阪急行沿線に出かけるわけでなくとも、大阪市内で地下鉄に乗れば御堂筋線を中心にいたるところで「箕面萱野」の表示を目にすることになる。これまで大阪の“奥座敷”といったイメージが強かった箕面の存在感が急上昇することは間違いない。

橋村 季真(はしむら きしん) 東洋経済 記者
2023年6月4日 配信
東洋経済オンライン
(引用)
 北大阪急行線、延伸で急上昇する「箕面」の知名度 2023年度末、御堂筋線の行き先が「箕面萱野」に
 駅・再開発
 東洋経済オンライン https://toyokeizai.net/articles/-/676791


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4.健康道場 55 素敵な花言葉の花を訪ねて
                         わこさん

「調和」 秋桜(コスモス)
 大同元年(806)、清水寺を開山【開く山】した第一世延鎮(エンチン)僧都(そうず)によって開創した柳谷(ヤナギダニ)観音・楊谷寺(ヨウコクジ)。花手水(ハナチョウズ)発祥の地でもあり、四季折々の花が、手水舎や手水鉢を彩ります。
 秋の花手水を彩るのは秋桜です。
「歴史と四季を感じられる聖地にしたい」「不安な現代にご利益と共に五感を通じて心に平安を」という思いから始まった花手水。「調和」の花言葉を表すような自然と文化が調和した風景に、心がゆったりと満たされていきます。

柳谷観音楊谷寺(やなぎだにかんのん ようこくじ)
 住所:京都府長岡京市浄土谷堂の谷2
 電話:075−956−0017
 開門時間:9時から17時
 拝観料:500円(ウイーク期間中は700円)
     高校生以下は無料

 秋桜はギリシャ語で「秩序」「調和」を意味し、花言葉もそれに由来する。色によって意味が異なり、ピンクは「純潔」の意味がある。

「秘めた思い」 杜鵑草(ほととぎすそう)
 花びらにある斑点模様が鳥のホトトギスの胸の模様に似ていることから名付けられた杜鵑草。「秘めた思い」の花言葉を持ち、風情ある茶屋の傍らでしっとりと美しい花を咲かせます。
 愛宕山(アタゴヤマ)のふもとにたたずむ「鮎茶屋平野屋」は、創業4百年、江戸時代より愛宕神社を詣でる際の参道にあり、行き帰りの参詣者をもてなしてきました。愛宕神社に訪れる旅人は、どんな思いを秘めていたのでしょうか。
 晩夏から晩秋まで、ひたむきに咲き続ける杜鵑草の花が、願いを持った人々をそっと見守っているようです。

鮎茶屋 平野屋(あゆちゃや ひらのや)
 住所:京都市右京区嵯峨鳥居本仙翁町16(さが とりいもと せんのうちょう)
 電話:075−861−0359

「自由」大文字草(だいもんじそう
 五枚の花びらのうち二枚が長く、まるで漢字の大の字のような花を咲かせる大文字草、大きく伸び伸びと大の字のように寝転んでいるような自由を感じさせます。
 涼やかな水辺に大文字草咲き乱れる景色が見られるのは、京都大原にある実光院です。
 実光院は庭園が見事で、心字池(しんじいけ)を中心にした池泉(チセン)鑑賞式の「契心園」と池泉回遊式の「旧理覚院(りがくいん)庭園」があり、約百二十種の山野草が四季折々に花を咲かせ、庭を飾ります。
 美しい空気と豊かな自然の中で、大きく手を伸ばし深呼吸してみれば、開放感を感じることでしょう。

実光院(じっこういん)
 住所:京都市左京区大原勝林院町187(おおはら しょうりんいんちょう)
 電話:075−744−2537
 拝観時間:9:00〜16:00
 拝観料:大人500円 小人 300円
 
「繊細な美」芙蓉(ふよう)
 わずか一日で花を閉じてしまう、日光の芙蓉。酔芙蓉をはじめ、やわらかな色合いの品種も多い花です。
 「繊細な美」「富貴」などの花言葉を持ち、繊細ではかない美しさを見せてくれます。
 四季折々の花が咲くことから「花の寺」としても知られ、特に秋の芙蓉が美しい妙蓮寺は、安土桃山時代に活躍した絵師・長谷川等伯(はせがわとうはく)一派襖絵など繊細な美を感じる文化財も多く
所蔵しています。
 自然と芸術、趣の違う美を感じることができます。

大本山妙蓮寺(みょうれんじ)
 住所:京都市上京区寺之内通大宮東入ル妙蓮寺前町875
 電話:075−451−3527
 拝観時間:10時〜16時
 拝観料:境内自由 方丈・庭 500円 宝物殿 予約と別途300円
 
「あの日を思い出す」藤袴(ふじばかま)
 江戸時代の文人・石川丈山(いしかわじょうざん)が晩年を過ごした山荘跡である詩仙堂。情緒あふれる唐様庭園が広がり、静寂に鹿おどしの心地よい音が響く中、石川丈山は若かりし日に思いを馳せることもあったのでしょうか。ふわりと揺れる藤袴の花言葉は「あの日を思い出す」。
 花に寄り添うアサギマダラの姿に、大切な人と過ごした日々を重ね合わせたかもしれません。

詩仙堂(しせんどう)
 住所:京都市左京区一乗寺門口町27(いちじょうじ もんぐちちょう)
 電話:075−781−2954
 開門時間:9時〜17時
 拝観料:大人500円 高校生 400円 小中学生 200円
 
「親切」秋海棠(しゅうかいどう)
 ハート型から葉っぱが伸びた茎に淡い紅色の花を咲かせる秋海棠は、秋を代表する花のひとつです。家族連れで賑わう京都の憩いの地、梅小路公園でも、可憐な花を咲かせています。
 「この花なぁに?」という子どもの声に、親切に教えてくれるのは、散策を楽しむ通りすがりのひと。そんな人と人の交流が広がる公園の風景です。

梅小路公園(うめこうじこうえん)
 住所:京都市下京区観喜寺町56−3(かんきじちょう)
 
「謙譲」石蕗(つわぶき)
 キク科の石蕗は、庭の片隅に咲く晩秋の花。山々が色づき始め、色味が少なくなってくる季節に、けなげに明るい色の花を咲かせます。その上品な姿は、まさに「謙譲」の花言葉を象徴しているようです。
 高台寺(こうだいじ)の塔頭(タッチュウ)、圓徳院の前庭にも石蕗の花があちらこちらに見られます。圓徳院は、豊臣秀吉の妻北政所(キタノマンドコロ)終焉の地で、慶長10年に、秀吉との思い出深い伏見城の化粧御殿とその前庭を移築して、移り住んだ場所です。豊臣家が滅亡し、ひっそりと余生を過ごしていた北政所。世の中の動きを静かに見守る彼女に、謙譲と言う花言葉の持つ石蕗の花が、やさしく寄り添っていたのではないでしょうか。
 
圓徳院(えんとくいん)
 住所:京都市東山区下河原町530(しもかわらちょう)
 電話:075−525−0101
 拝観時間:10時〜17時
 拝観料:大人500円 中高生200円

 これらは月刊「茶の間」より引用しました。

                              このページの先頭へ

5.私の小さな旅 その24 蒜山(ひるぜん)高原(岡山県)と湯原(ゆばら)温泉 いい湯だな
                        今茨木童子

 今回も高速バスで途中の中国勝山町JR勝山駅前で下車し、定期バスに乗り換えて蒜山(ひるぜん)高原国民休暇村にむかいました。
 休暇村の道路を挟んだ向かい側は近くにある中国四国酪農大学の飼育する牛の放牧場になっている。馬蹄形(ばていけい)になった牧草地はなだらかな傾斜地になっており春から秋には毎日牛舎から出てきた牛たちがのんびり草を食んでいる。牛が外へ行かないように馬蹄形の上には木製の柵がある。牛を見に来た宿泊客の子供たちに、「柵の近くに来た牛に手を出してごらん」と言って私も手を出すと、牛がペロリとなめてくれます。子供たちも恐る恐るそーっと手をだすと、牛がペロリとなめて、「わー、ざらっとする」と言って歓声を上げていた。冬になると、この柵をはずして、スキー場になるのです。旧館の裏はスキー場です。立ち木もブッシュもなく牧草地なので安心して雪遊びが出来る家族向きのスキー場です。牛に限らず、猫も舌はざらっとしています。
 この蒜山高原と言えば乳牛は白と黒の「ホルシュタイン」ではなくて、「あか牛のジャージー牛」で、脂肪分たっぷりの牛乳で知られるところです。もちろん朝食にも牛乳がついている。蒜山というのは三つのお椀を伏せたような形のよい山の総称で、上、中、下蒜線(かみ、なか、しもひるぜん)の山で、「蒜山三座」とも言います。私の生まれた実家からも冬になると、全山雪をかぶって真っ白になった姿が見えます。
 休暇村に二泊し、西の軽井沢といわれる高原リゾート地のさわやかな夏を味わいました。
 三日目は湯原温泉まで戻って、一泊。ダムの堰堤のすぐ下にあり、有名な「砂湯」の露天風呂は大勢の人が入っていたため入りませんでした。帰りに実家にも寄りのんびりした夏を楽しみました。

                              このページの先頭へ

6.大阪に関連すること いろいろ3

 今回は、喜劇王の「藤山寛美さん」、寛美の娘で女優の「藤山直美さん」、藤山直美さんと仲良しだった「やしきたかじんさん」です。

藤山 寛美(ふじやま かんび)
 1929年(昭和4年)6月15日〜?1990年(平成2年)5月21日。
 大阪府大阪市西区に生まれる。
 永年にわたり松竹新喜劇の大スターとして活躍。阿呆役を演じ、「あほの寛ちゃん」として人気を博した。「松竹の喜劇王」とも称されている。
 「遊ばん芸人は華が無うなる」という母親の一家言を守り、夜の街を金に糸目をつけず豪遊した。戦後の上方を代表する遊び人として多くの逸話を残した。バーのボーイに「チップとして」車のキーを渡し、自動車1台を与えたこともあった。
 知人に騙された巨額の借金も含め、多額の負債を抱え、1966年には当時の金額で1億8,000万円の負債を抱えて自己破産。後輩芸人への面倒見が良かった寛美は、彼らの借金を立て替えることもしばしばで、特に自らがまだ多額の借金を抱えている最中に、月亭八方の1,000万円の借金をキャッシュで立て替えようとしたが、八方自身が恐れ多いと断った。
 知人に騙された巨額の負債について、「アホをやっておりますが、わてのアホはどうやら本物らしゅうおます」と言い、恨み言一つも言わなかった。その負債も復帰によって完済し、大物ぶりを示す結果となった。
 女優の藤山直美は娘。俳優の藤山扇治郎は孫。
 
藤山 直美(ふじやま なおみ)
 本名:稲垣 直子(いながき なおこ)
 1958年12月28日?生まれ。
 日本の女優。大阪市生まれ、京都市山科区(当時は東山区山科)出身。京都女子高等学校卒業。
 父は喜劇役者の藤山寛美、甥は俳優の藤山扇治郎。
 母は祇園出身で都おどりに出ていた。大阪市西区の日本生命病院で藤山家三女として生まれる。
 南堀江で育ち、3歳頃に当時の新町に引越す。父の借金の都合で、母の里の山科に引越し。5人姉妹の中で唯一父と同じ道を歩む。
 過去には女性誌で、やしきたかじんと結婚以上の仲であると報道されたことがある(結婚などの事実はないが、実際、たかじんの大ファンであり、舞台でもよくたかじんの歌を歌うほど)。たかじんの生前には特番などで共演したり、プライベートでも12時間以上の長電話をするなどしていた。

やしき たかじん
 1949年(昭和24年)10月5日〜?2014年(平成26年)1月3日
 本名は、家鋪 隆仁〈やしき たかじ〉。
 日本の歌手、タレント、司会者、ラジオパーソナリティ。主に関西ローカルや大阪の放送局製作番組に出演していた。
 大阪市西成区で男ばかり4人兄弟の次男として誕生。小学生の頃は野球に熱中。
 2歳上の兄に歌声を褒められ、音楽家を志すようになる。
 大阪市立成南中学校卒業。桃山学院高等学校在学中は新聞記者に憧れ新聞部に所属。朝日新聞社主催の全国新聞コンクールに入選も果たしている。
 大学受験に失敗し、系列の桃山学院大学経済学部に進学しながら別の大学を目指す仮面浪人となる。父に「将来は新聞記者か音楽家になりたい」と相談するが、会社を手伝わせるつもりだった父は激怒し勘当する。
 人気曲 「東京」「やっぱ好きやねん」「あんた」「なめとんか」「大阪恋物語」「ICHIZU」など。
 
サピエに、以下の通りありますので、是非読んでみてください。

藤山寛美
@ 「あほかいな、藤山寛美半生談義」 藤山寛美著 1976年
     カセット 全5巻
A 「あほやなあ、喜劇役者の悲しい自伝」 藤山寛美著 1969年 
     点字 1巻
B 「極楽とんぼ 寛美笑談」 藤山寛美著 
     カセット 全5巻
C 「人の世は情けの貸し借り 水上勉(みずかみつとむ)・藤山寛美対談」 1984年
     デイジー
D 「凡談愚言」 藤山寛美著 1983年 
     カセット 全5巻
E 「みち草、わき道、しぐれ道」 藤山寛美著 1985年 
     カセット 全2巻
F 「アホやけど愛しいおひと 涙と笑い 夫・藤山寛美との壮絶修羅四十年」 
稲垣峰子(いながき みねこ)著 1990年
     点字 全3巻 / カセット 全4巻 / デイジー
G 「植木等と藤山寛美 喜劇人とその時代」 小林信彦著 1992年
     点字 全4巻 / カセット 全4巻

藤山直美
@ 「わたし、へんでしょ?」 藤山直美著 2002年
     点字 2巻 / デイジー

やしきたかじん
@ 「人生、すてたもんやない、やしきたかじんが遺したことば」 やしきたかじん著 2020年
     点字 全2巻 / デイジー 
A 「たかじん旅たび失礼」 やしきたかじん著 1995年
     点字 全3巻 / カセット 全3巻 / デイジー
B 「たかじんの胸いっぱい 商店街の見える家」 やしきたかじん著 1993年
     点字 全4巻 / カセット 全4巻 / デイジー
C 「たかじん波乱万丈」 古川嘉一郎(ふるかわ かいちろう)著 2014年 
     点字 全3巻 / カセット 全4巻 / デイジー
D 「ゆめいらんかね やしきたかじん伝」 角岡伸彦(かどおか のぶひこ)著 2014年
     点字 全4巻 / デイジー / カセット 全6巻 / テキストデイジー

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7.編集後記
                        上田 一裕

 残暑お見舞い申し上げます。
 さて、これらは、紙面を一層良いものにしていくための大切なものです。以前いただきましたご意見に対しまして、お答えしたいと思います。いつも「つみぐさ」をご愛読いただきありがとうございます。
 2023年3月に発行いたしました「第134号」の「踏切は危険 その2」の文中、「踏切横断時の安全を確保する方法について誤解を招くような表現があったので、すごく不信感と不安を抱いてしまった。安全に関わる重要なことなので、個人的経験での情報でなく、客観的で正確な情報を掲載するべきである。」という投書をいただきました。
 内容を検証した結果、誤解と不信感を与えてしまう可能性がある表現を確認しました。また「個人的経験」という言葉も使用していることも確認しました。
 日々の安全に関わる大変重要な問題にも関わらず、このような内容を掲載してしまい不信感を与えてしまいました。読者の方に対しまして、深くお詫びいたします。
 今後このようなことが起きないよう、記事の校正を今以上に慎重に行うとともに、疑問点については各関係者に問い合わせるなど、よりよい情報誌として愛されますよう努力していきたいと思います。


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